今日は朝8時20分に起きてから、散歩に出かけた。
実に良い天気である。
昨日寝たのは0時20分。
いやちがう、昨日じゃなくて、今日か、まあいいや適当~
と、いったようなことを先日わたしは、ちっちゃな女の子から言われた。
つまりこうだ。
「こんにちは~、じゃなくて、こんばんわか、まあいいや、適当~」
ま、それはいいとして、
そう、散歩に出かけたのである。
つまり歩いた。
右足を出し、そして左足を出し、そう、交互に足を踏みしめて、歩いたのである。
ブラックの缶コーヒーを買って、飲みながら歩いた。
飲み終えた缶コーヒーの缶はジャンバーのポケットに入れた。
「あとでどっかのゴミ箱に捨てよう」
そう思ったのであるが、捨て忘れてしまって、ちゃっかり家に持って帰ってしまった。
そう、それはいい。
百歩譲ってそれはいい。
とにかくそう、散歩の途中、小さな旅の途中、川の橋を渡った。
ガンジス川を思わせる、まあまあ広い河である。
その橋の下には、ビニールハウスが有った。
そう、ホームレスさんの家である。
ホームレスさんの家の中では豪邸といっていいかも知れない。
ブルーのビニールが外観を覆っている。
入り口は広々とあいて、かなり立派な作りである。
本格的に作り込んでいる。
まさにそう、豪邸的なホームレスハウスであった。
そんじょそこらのダンボールハウスとは物が違う。
そこでは犬が飼われていた。
そう、ロープに犬が繋がれていた。
完全に飼っていた。
散歩にも連れ出すのかも知れない。
そしてそう、猫がいた。
見ただけで5匹いた。
その中に、ちっちゃな、ちっちゃな、子猫が三匹いた。
その中の2匹は一か所に固まっていて、あまり動かなかった。
もう1匹はちょっとだけ離れた場所にいて、やはりあまり動かない。
それを見守る親猫も、あまり動かない。
そう、完全にそのハウスの住民たちだった。
私はそのハウスに住んでいる人間の姿を探してみたが、いなかった。
寒い冬だ。
まだハウスの中で拾った毛布に包まって寝ているのかも知れない。
なんといっても、しょせんはホームレスハウスなのだから、冬を乗り切るのは難しい。
ましてやきっと住んでいるのは年配の人だろう。
そう、そのホームレスハウスには歴史を感じた。
長くそこに建っているという風格を感じた。
ハウスに住む人も、長く住んでいるに違いない。
ロープに繋がれた犬と、そして猫たちと共に。
そう、その人は当然、夜は電気をつけない。
電気などない。
食事はどうしているのだろう?
それは分からない。
だがしかし、夜は眠るだろう。
そして昼は活動するだろう。
昼もほぼ寝てるのかも知れない。
だが少なくとも、夜は寝ているに違いない。
そして朝が来るのに、誰よりも早く気づくだろう。
そう、そこにはまさに、偉大なる整体生活者がいるのである。